水晶体はカメラのレンズにあたる無色透明の組織で、水晶体上皮という細長い細胞で構成されています。白内障とは、本来透明であるはずのもの(水晶体)に濁りが生じ、視力が低下したり、物が見えにくくなるという病気のことを言います。
白内障の多くは皮膚のシミやしわなどと同じく加齢による老化の一環ではないかと言われていますが、糖尿病やアトピー性皮膚炎など、眼以外の病気が原因で、白内障になることもあります。また、乳幼児が発症する先天性白内障や若年性白内障は、視力の発達に障害がでるので、発見次第早急に手術をする必要があります。
白内障は一旦発症すると元には戻りません。軽度の場合は飲み薬や目薬で進行を抑えたり、眼鏡やコンタクトレンズで矯正することもできますが近年、薬物治療の有効性は疑問視されており、進行を完全に止めることもできませんので、いずれ手術が必要になることもあります。
1. 水晶体前嚢の切開(CCC)
2. 水晶体の中身の乳化吸引
3. 眼内レンズ(IOL)の挿入
4. 眼内レンズの固定
手術直後はリカバリールームで安静にしていただきますが、しばらくすれば歩いたり、食事をしたりとふだんどおりの生活をしていただいてかまいません。ただ、挿入した眼内レンズが目の中でしっかりと固定されるのには数週間ほどかかりますし、目に衝撃を与えると傷口が開く場合もありますので注意しましょう。また、手術後は定期的に医師の診察を受け、眼内レンズがきちんと固定 されているか、度数などはあっているか、合併症を起こしてはいないかなどを確認しましょう。